売れないラグジュアリ―客室を活かしたい!
うちのホテルには、いつも在庫が余ってしまうスイートルームが5室もあるんです。
メイン客層がビジネスなので、出張予算を超えるスイートがなかなか売れないのは重々承知なのですが…何とか売れるように改善できないでしょうか?
シングルルームの稼働は好調なので、予約単価を上げたいんです。
ラグジュアリ―客室をアップグレードやおまかせ用客室にすると、稼働は上がっても客単価が上がらないですからね…。今回は思い切って、プランの見直しから「スイートをスイートとして売る」戦略を立ててみましょう!
プランの価格網羅性
まず現在の状況を知りたいのですが、販売中のプランはどんなものがありますか?
現在販売しているのは素泊まりと朝食付きだけです。
大体1名6000円で、朝食付きならプラス500円ですね。
年間の平均同伴係数はどれくらいですか?
今の同伴係数はほぼ1.0です。
エリアには色んな客層が来ているのですが、どうやって呼び込めばいいのか分からなくて…。昔は修学旅行の対応などもあって、夕食も出していたんですが。
そういえば、1階に大きな厨房がありましたね。
料理人の方は不在なのですか?
私が元料理人です。もともとフレンチ料理店をやっていましたが、流行り病のあおりを受けて店じまい…親戚の誘いでここに転職しました。
宿泊業は門外漢なもので、集客がうまくいかず今に至ります。
そうでしたか…。
料理を出せる環境と人材、個室食を出せそうなスイートルーム。
エリアにもいろんな客層が来ているとのことなので、あとはマーケティングでスイートを売れ筋の客室にできると思います。
ちなみに、「価格網羅」というワードはご存じでしょうか?
価格網羅…?
プランの価格網羅性
ズバリ申し上げますと、貴施設にはプランの価格網羅性が足りません。
宿泊予算が高めの予約者にとって魅力的なプランがないので、素泊まりビジネス層以外の予約者に見向きもされない状態です。
そんな…。現在もお部屋に価格差をつけて販売していますよ。
お部屋の価格差だけでは不十分です。
例えば、カップルをターゲットにする場合。
予約を決めるのが男性で、「彼女との記念日」を過ごせるホテルをお探しのケース。
オードブルのお部屋食ケータリングサービスと、冷蔵庫にサプライズのシャンパンを入れて、「お部屋で楽しむ記念日プラン」という売り方ができます。
特別な日は財布の紐が緩みますから、客単価12,000円で2名、計24,000円のプランができます。
こんなビジネスホテルで記念日プランですか…。本当に売れますかね?
「このまま売れるかどうか」ではなく、「売れるレベルに仕上げる」のです。
現状のまま価格を上げて売るのではなく、相応の商品を準備し、マーケティングによって「売れる仕組み」を整えます。
そ、そうですよね…。検討してみます。
ファミリーを狙うパターンもありますよ。
お部屋にミニテントやプロジェクター、ローベッドを置、こどもが喜ぶ特別なディナーや家族で楽しめるチョコフォンデュセットを用意して、「お子様歓迎プラン」として販売などはいかがでしょう。
実際の事例に、ラブホテルからレジャーホテルにうまく転身した施設があります。
ファミリーを狙ったコンセプトルームに、コンセプトに沿ったディナーを用意し、同伴係数3.0&客単価9,500円、平均室単価28,500円で好調に稼働がとれている施設があります。ちなみに、元の平均室単価は4,000円以下でした。
室単価が24,500円も上がったのはすごいですね!
他にも、もっとハイクラスのビジネスユーザーをとるなら、スイートが固まっている階に「エグゼクティブフロア」を設置するケースもあります。フロア丸ごとスイート予約者のみ立ち入り可能、専用ラウンジでスナックやドリンク無料、コワーキングスペース使用可で滞在時間延長など…。
幅広い価格のプランを用意するのはもちろん、そのターゲットが「泊まりたい!」と思えるようなコンテンツを用意しなければならないということですね。
おっしゃる通りです。
人口減少や流行り病、客室過多の影響で、従来の「低単価で稼働を回すだけ」のビジネスホテルは今後、価格競争が激化していきます。
年々スタッフの人件費も上昇し、「部屋売りのみ」だと築年数の古い施設はどんどん苦しい状況に追い込まれます。
「うちはビジネスユース狙いだから」と自施設の可能性を狭めず、価格を網羅したプランで新規ターゲットを獲得し、売上をップしましょう!

・幅広い価格帯のプランを用意しないと、販売機会損失の恐れがある!
・幅広い価格帯のプランには、ターゲットを「購入まで」促すマーケティングが必要!
・特集や食事条件の検索でふるい落とされないよう、付帯のバリエーションは広く用意しよう!